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リハビリ工法協会 事務局
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コンクリート構造物の補修技術
3.亜硝酸リチウムを用いた補修工法の概要
3.4 亜硝酸リチウムを用いた補修工法の選定
(1) 亜硝酸リチウムを用いた補修技術一覧
「リハビリ工法」は,塩害・中性化・ASRによって劣化したコンクリート構造物の亜硝酸リチウムを用いた補修技術の総称で,以下の表から成り立ちます.これらの工法は,それぞれの補修工法(圧入工法,ひび割れ注入工法,断面修復工法,表面保護工法)に適した亜硝酸リチウムを使用して構造物の劣化機構の程度や部位,規模などに応じて使い分けることが出来ます.
(2)塩害・中性化の補修工法選定フロー
塩害,中性化の補修工法を選定する際に重要な視点として,以下の項目が挙げられます.
・塩化物イオン濃度が腐食発生限界(例えば2.0kg/m3)を超えているか?(塩害の場合)
・中性化深さが限界値(例えば中性化残り10mm)を超えているか?(中性化の場合)
・すでにひび割れや浮きはく離などの変状が生じているか?(鉄筋腐食が発生しているか?)
・将来の維持管理シナリオは?(再劣化と再補修をくり返すか,根本的な対策を講じるか)
それらの視点を踏まえ,塩害で劣化したコンクリート構造物の補修工法選定フローを図3-36に示します.中性化の場合には図中の「塩化物イオン濃度」の判定を「中性化深さ」に置き換えて考えます.

図3-36 塩害で劣化したコンクリート構造物の補修工法選定フロー
(3)ASRの補修工法選定フロー
ASR の補修工法を選定する際に重要な視点として,以下の項目が挙げられます.
・ASR の残存膨張性は?(ASR 膨張の将来予測)
・将来の維持管理シナリオは?(再劣化と再補修をくり返すか,根本的な対策を講じるか)
特にASR の場合は,現状の劣化程度だけでなく膨張性の将来予測に応じて補修工法を選定することが重要となります.それらの視点を踏まえ,ASR で劣化したコンクリート構造物の補修工法選定フローを図3-37 に示します.

図3-37 ASR で劣化したコンクリート構造物の補修工法選定フロー
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